資料を読み取り原因を考える


 平成8年、4年社会科「郷土を開く」(東根のさくらんぼ)の授業から……………(本資料は○○さんが家にあった本から見付けてきたものである。)
T①『グラフから分かることは?』
「佐藤錦を植えている広さが段々増えてきた。」
「ナポレオンを植えているところが減ってきた。」
 「平成2年ころに佐藤錦がナポレオンを抜いた。」
「生産量も平成2年頃に、佐藤錦がナポレオンを抜いた。」
「やっぱり、昔はナポレオンだったんだ。」
T②『あれ? と思ったことはないですか。』
「あれ?」 「おかしいよ。」「全体では減っているよ。」
「植えている広さは段々増えているのに、生産量は減ったよ。」
「昭和60年には18200tなのに、平成2年には11500tになったよ。」
 

 ③さくらんぼを植えている土地は増えてきたのに、どうしてさくらんぼのとれる量は減ったのか?
 大きな疑問が出て授業が終わった。
 この後、子どもたちは家庭での追究を経て、7つの原因(予想)を考え出し、究明していった。資料を読み取るだけではなく、そこに隠された不思議を、名探偵コナンくんのように解決していくことの楽しさを味わうことができた資料である。
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 本実践から資料活用力を評価する問題を作成するならば、上記の資料を配付して、T①・T②と問題を与える。 そして、③【その原因は何か】と続ける。
 資料活用力とは、それを読み取ることだけではなく、そこに隠された原因を解明する力である。そして、究極の資料活用力とは、文脈に沿った資料・発想を変える資料を見付ける力である。
 情報社会には、資料は限りなく存在する。資料活用力がより大切になる。問題解決力よりも、問題発見力の方がより高度なように、「はてな発見力」が大切になる時代なのである。

「日本のさくらんぼ」
       (山形県経済農業協同組合連合会)より

 

 「授業のネタ 教材開発」(明治図書)2004 3月号