こんなのあり? 異議あり変化のびっくり例
「痛くない注射針」
長さが20ミリ、外径わずか0.2ミリ。糸のように細い針の中には、直径0.06ミリの穴が通っている。蚊の針と同じような細さの「痛くない注射針」が、テルモから7月より出荷された。
従業員6人で6億円の売り上げを誇るスーパー町工場岡野工業の岡野雅行代表社員が開発したものである。
注射針を板を丸めてつくるという発想は、常人には思いつかない。確かな技術力を土台とした柔軟な発想が常識を覆した。
完成品ができてから、コストを一本数円に抑えるために、そして、一日何万個も作るシステムを開発するために、さらに数年間かかったという。
「痛くない注射針」
このインパクトは大きい。
どれほどの子ども達が病院嫌いにならずにすむか。
あの泣き声を聞かずにすむか。
販売量は年間10億本を超える見通しだと言う。やがて、日本中、いや、世界中の注射針が「痛くない注射針」になるであろう。
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「えー、これはまずいんじゃない!」という例示が本テーマであったが、これは、全然まずくない。
医療機関で、これまでの会社とのしがらみから従来の注射針を使い続けることがあれば、それこそが「まずい!」のである。
「学校マネジメント」(明治図書)2006 1月号