学級文庫のベストセラー&ロングセラー本―私のアニマシオン活動
 知的な気づきの宝箱


 学級文庫にどういう本が並んでいるか。
 そして、いつ読まれているか。 それは、学級文化の礎となっている。
 教室に並ぶそれらの本には、担任の意図が明確に示されている。
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 昨年度まで小学校教諭であった私は、毎年教室には、植物や虫の図鑑などの本の中に、必ず
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│ 学研まんがひみつシリーズ「トン・チン・カンの科学教室」          │
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を筆頭にこのシリーズ本を並べた。
 漢字にはルビがふってあり小学一年生でも喜んで読むことができる。特にこの「トン・チン・カンの科学教室」は人気があり、子どもが手にするたびにどんどん古くなっていくので、何度買い換えたか分からないベストセラーである。
 「カタツムリとナメクジは同じなかま?」
というようなテーマの後、数ページに渡ってマンガで説明が書かれている。的確で実に分かりやすい。
 「はてな?」を核にして、授業を開いて終えるオープンエンドの授業形態をとってきた私は、授業中に何度、
 「先生、それはあそこに書いてあった!」
と席を立って学級文庫からこの本を手にして、探し出す子を見てきたことか。そして、本の内容が自分の知識であるかのように自慢げに説明した子は、必ずと言っていいほど、家庭での追究を行ってきた。図鑑等や実物を駆使してさらに深く追究を行ってきた。

 読書の時間だけでなく、学習の進度によって、早く終わった子に個別に読書の時間を設定することがある。そうした時には、学級文庫には本シリーズのように内容が細分化されて数分で読むことのできる本があると好都合である。
 また、この本をプロジェクターに映しながら短時間の読み聞かせも子ども達に好評である。
 何にしても、知的な気づきを導いてくれる本は、読書の楽しさを教えてくれる。
 読書への入口としても、本シリーズは、学級文庫の必需品であると考える。


  『国語教育』(明治図書)20134月号 リレー連載