心のノート  こうだったらもっとよかったのに№3


 したことよりも、してもらったことの喜びを


 親切は、みんなの喜び (心のノート3・4年生用p41)

 ノートに次のことを記入する欄がある。
┌─────────────────┐
│ ① 親切にしたこと                      │
│ ② 親切にしてもらったこと                  │
└─────────────────┘
 扱いは①が最初で、欄も広い。そして、
「家の人からのメッセージをもらおう」という欄が最後にある。
 親はどちらを喜ぶか。喜ぶべきか。
 子どもは、①に「ねばならない」「誉められる」という意識を強く持つ。
 親切にされた事実をもっと重視すべきである。したことよりも、してもらったことの喜びを親子で共有できる場を求めたい。
「親切にしてくれたAくんは、すばらしい。そして、そうしてもらえたのは、きっと、おまえがいつもAくんや他の子にやさしくしているからだろう。」 
 子どもに、こういう意識を育てたい。
 それが、友だちを見つめる目を育て、認め合う温かい関係を築くことになる。
 それが子どもの心の安定を導くのである。また、そういう意識が育てば、自然と親切な行動が生まれてくるものである。
 次のことも同様である。


 友だちのよいところを見つけよう(心のノート3・4年生用p45)
 ノートには次のようにある。
┌────────────────────────────────────┐
│ 友だちのよいところをさがし、カードに書いてわたしてみましょう。【③】 │
│ そのために、感じたことをここにメモしておきましょう。              【④】    │
└────────────────────────────────────┘
 そして、友だちのよいところを書く欄が3カ所ある。
 私は、かつて「みんなの長所」という小冊子を学級で作ったことがある。クラスのみんなで一人一人の長所を書き、それを集計してまとめたものである。
 子どもたちは、友だちの長所を書く(見つけること)を喜んだ。すてきな空間を築くことができた。 それは、
 今自分が友だちの長所を書くことと、
 今友だちが自分の長所を書いてくれていること、
が一緒になっているからである。書かれていることを意識したときに、書く行為が喜びに変わるのである。
 このページは、③のカードを貼るページ、または、友だちに書いてもらうページでもあってほしかった。
 今のこどもたちは、友だちをどう見るか、友達にどう接するかよりも、友だちにどう見られているか、どういうふうに応じられているかを気にする世代である。
 友だちに自分のよいところを見つけてもらい、友達からのエールを受ける場が求められている。それがあってこそ、自分の失敗や間違いを認める余裕が生まれてくる。
 してもらったことの喜びを実感させることが、することの喜びを生むことになるのである。


 「学校運営研究」(明治図書)2002 9月号