「活用力」を育てる授業改革の提案―国語科                  
    言語技能の習得に向けて 


   私は、話し合いを授業の中心においている。しかし、話し合いの授業をすればする程、話し合いでは身に付けさせることができない内容が見えてくるようになった。
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 国語科の目標は、指導要領に、
「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。」とある。
 解説には、言語感覚とは、【言葉の使い方の、正誤・適否・美醜などについての感覚】と明示されている。
 知らないことは話せない・書けないように、身に付けていない「言語技能」は、「話すこと」や「書くこと」には使えない。当然、活用できない。
 つまり、言語感覚の基礎基本は、言語技能の習得の上に成り立っていると言える。
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 漢字や九九などは該当学年の内容をしっかり身につけさせるよう指導しているが、言語技能にあたっての取り組みは教師によって様々である。
 その大きな理由は、次の二点である。
・授業で扱う時間的な余裕がない。
・まとまったテキストやプリントがない。
  言語技能を該当学年でしっかり定着させることによって国語の基礎基本が身に付くものである。作文、読解など国語の根底に言語技能があることは言うまでもない。
 断片的な知識としての「知っている」から、内容で全体像をつかむことができる「メタ認知」的な言語技能の習得への転換を図らなければならない。
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 言語技能の習得を、くり返し行う暗記を強いるような方法ではなく、効果的に行う方法はないものかと考えた。そして、内容毎に基本、練習、チャレンジの三段階で4ページ編成の左のような学習プリント集を作成した。
 上巻(一~三年)・下巻(四~六年)二冊編成で、学年毎・内容毎、どちらでも目的に合わせて使えるように構成した。内容毎に、力不足の子には前学年の復習から、進んでいる子には次学年の内容を応用的に系統性をもって段階的に使用することができる。
「活用型」ということばが流行ると、活用場面だけを念頭におく授業が多くなるが、内容によっては、まず「活用できる土台」をしっかり与えてから行わなければならないものがあることを念頭におかなければならない。言語技能に関しては、「教えて考えさせる指導」、つまり「教えて活用させる指導」が強く求められる。
(文中の学習プリント集は、「言語技能を磨くワーク」上巻・下巻として、明治図書より近々発刊予定。) 

  授業研究21(明治図書)20091月号