「習得力」を確実にした私の実践

  モジュールタイムのなかで


 モジュールタイムについて
 本校では、三年前の開校以来、毎日の日課の中に「モジュールタイム」を設定している。
 初年度前期は、音読・計算・英語を、1・3・5時間目の授業の前に10分間ずつ行い、後期は1時間目の前に3つを続けて30分間で行った。
 昨年度から一日15分間で、音読・計算・英語のうち2つを、1時間目の前に行っている。
 今年度からモジュールタイムのねらいを
・脳の活性化

・集中力の持続・育成
と明確にしてスタートした。
 つまり、モジュールタイムで学習内容の定着を図ることをねらいにはしていない。あくまでも脳の活性化と集中力の持続と育成をねらいにしている。
 しかし、脳が活性化し集中力が高まる過程において扱う内容についての習熟度が高まるのは当然のことである。
 今年度、1年生の5月中旬から下旬までのモジュールタイムでの計算は「いくつといくつ」の学習内容をもとに作成したプリント(資料③)で行った。
 回数をこなせばタイムが速くなってくるのは当然の結果である。
 しかし、そのタイムの短縮よりも、
【繰り返し行えば、自分の力が伸びる。】【努力は必ず報われる。】 
【静けさの中で集中して取り組むことが楽しい。】 
 子どもたちに、そうした意識を根付かせた意義が大きい。
 集中力の持続と育成が脳を活性化させ、見える形としてタイムが短縮したのである。
 また、休日の前日には、プリントを持って帰り、家族の前で練習する姿勢が、学校と家庭をつなげることにもなった。
 反復学習=同じ問題を繰り返す
ということは、
「明日も同じ問題をする。」という継続的な視点のなかに子どもたちを導くことになる。
 テストのような一過性ではなく、同一問題で行う反復学習だからこそ生まれる安心感と集中力が、そこにある。
 本校のモジュールタイムの意義を改めて感じるところである。 
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 資料②について
 平均タイムは、ほぼ上向きになっている。しかし、子ども一人一人を見ると、必ずしも上向きになっているとは言えないところがある。タイムが遅くなっている子には、その日の体調や意欲の低下が隠れている。朝の健康観察では分からない内面の様子を垣間見ることができる。
 継続した取り組みが終わってから一週間を開けて突然に行った6月4日は、タイムこそ下がっているが、それまで5分で終わらなかった子が4分を切ることになった。子どもの成長とは、かくあるもののようだ。


 資料③について
 子どもたちは、表面上段から書き始め、裏面上段まで書き終わったところで挙手し、教師から告げられたタイムを【○ふん○びょう】の欄に記入する。
 裏面下段は、速く終わった子のためのものである。
 タイムを計っての競争と捉えてしまうと過酷な時間のように受け止められがちであるが、集中して取り組む子どもたちの姿を見ると、「集中した静けさの中の心地よさ」が感じられる。
 この時期に、「いくつといくつ」の内容でプリントを作成したことは、結果として、次の学習内容の「たしざん・ひきざん」の学習の導入、基本の定着を図ることとなった。
 モジュールタイムは、脳の活性化と集中力の持続と育成がねらいではあるが、そこで活用するプリント等の内容は、子どもたちの成長に意味のあるものを効果的に選択していきたい。


授業研究21(明治図書)20089月号