テストの種類に合わせた勉強術の指導ポイント

   OXテストと勉強術の指導ポイント

 原稿依頼を受け取った。
 そろそろ締め切りが近づいた。
 しまったと思った。
 これは書けないと思った。
「今まで、OXテストの問題を作ったことがない!」
 致命的である。
 OXテストは、子どもの頃から多く解いてきた。当たり前の問題形式だと思っていた。しかし、自作テストでは作ったことがなかった。

 

 OXテストの今日的現状
 そこで、市販のワークテストに頼ることにした。
 OX問題は存在するのか。
 すると、僅かではあるが存在した。
 それにしても、選択問題の多さに驚かされた。
 私に与えられたテーマは、OXテストと勉強術の指導ポイント である。
 しかし、それでは、この僅かばかりのOX問題のためということになってしまう。

 選択問題として考える
 テストの前にその形式を子どもたちに伝えることはある。
「ノートを見て書いても良いよ。」
「自分の考えをたくさん書くテストだよ。」
 しかし、社会科において、
「OX問題だけのテストだよ。」
 それは、あるのだろうか?
 私にそういう経験はないし、聞いたこともない。
 この場合、テストの種類に合わせた勉強術の指導ポイントというものは、考えにくい。
 そもそも、OX問題を前提とした勉強術などあるのであろうか。
 そこで、より広く捉えて、OX問題を選択問題として、教師のテスト術として述べることにする。

 子どもが好きなテスト
 子どもたちに、前述のワークテストで、どれかを選ばせれば、おそらくN社のものを選ぶのではないだろうか。選択問題以外を考慮せず、ただ、その数の多さと、選択域の少なさからという偏った見方ではある。
 そして、おそらく、平均点も高くなるのではないだろうか。
 選択問題は、学習のクイズ化を招く。しかし、ある種の遊び心が生まれ、社会科嫌いな子にも取り組む姿勢が生まれてくる。これを無にする手はない。
 例えば、最初の選択問題で、
┌──A ────────────────────────────────────┐
│ ( )の中のあうものをOでかこみましょう。                           │
│①十七条の憲法を定めたのは   (徳川家康 聖徳太子)です。      │
└───────────────────────────────────────┘
として、次は、
┌──B ──────────────────────────────────────┐
│ ( )の中のあうものを○でかこみましょう。                                                        │
│①十七条の憲法を定めたのは (徳川家康 聖徳太子 源頼朝)です。  │
└─────────────────────────────────────────┘
とかえる。最後には、
┌──C ────────────────────────────────────┐
│ ( )の中にあうことばを書きなさい。                                             │
│①十七条の憲法を定めたのは   (       )です。                             │
└───────────────────────────────────────┘
と、徐々に問題文をかえていくと、いつの間にか穴埋め式でも解けるようになるだろう。
 しかし、教師・子どもともに、多くのテスト回数・時間が必要になる。
 これを、暗記問題と蔑んできてしまったつけが、今日の学力低下を招いたとは言えないだろうか。
 有田和正先生が仰るように、
「基礎基本は何度も繰り返さなければ身に付かないもの」
なのである。
 OXテストは、それ自体に意味をもたせるよりも、テストの導入にすべきだろう。とすれば、ワークテストのようなテストを、すべて選択問題でつくり、前述のAからCのように最後は穴埋め問題で解かせるという数段階のテスト問題があってもいい。

 そう言えば 嘗て(十数年前)、歴史の小テストを繰り返したことがある。
┌─────────────────────┐
│ 日清戦争  三国干渉   日英同盟 │
│ 日ロ戦争  韓国併合                    │
│ 第一次世界大戦  日中戦争              │
│ 第二次世界大戦 三国同盟          │
│ 太平洋戦争  原子爆弾                       │
│ ポツダム宣言   日本国憲法            │
└─────────────────────┘
 最初は、これらすべての語句を書いた問題用紙に年代順に番号を書かせた。
 次は、いくつかを穴埋めにした。
 そして、最後は、すべて順番通りに語句を書かせた。
  ①~⑬の番号の脇に、すべての言葉を書けるようになったとき、
「明治から昭和初期の日本と外国の動きを大まかに書きなさい。」
というテストをした。
 長期休みが明けた日に、急にテストをしても、ほとんどの子が覚えていて書けたので、子どもたちと一緒に驚いた覚えがある。
 最初は、番号を書くだけ、そこからのスタートであった。
 歴史用語をたくさん、そして、長く覚えていられるのは、単なる言葉の暗記だけではなく、その大きな流れをストーリーとして自分の言葉で表せなくてはならないのだと子どもたちに教えられた。
 あの時も、最初は、順番を選ぶ問題からのスタートであった。
 OX問題などの選択問題を導入として基礎基本の定着を図れるような教師のテスト術を身に付けたい。
 

 「社会科教育」(明治図書)2004 7月号