最近読んだ「戦争に関するお薦め本」ベスト3
   日々の戦いから
┌─ 自動車産業の戦い      ────────────────────────────┐ 
「トヨタ利益1兆円の経営哲学」  若山富士雄・杉本忠明著 2002年 オーエス出版社 │
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 企画段階からコスト構造を見直し、「トヨタと部品メーカーがトータルで製造原価をいかに引き下げるかに力点を置いた」(渡辺副社長)のである。その結果、これまでの車両にあわせた部品生産から、部品にあわせて車両をつくる方法へと自動車づくりの発想を一八0度転換させた。【同書p32】

 カーブ時に体を支えるアシストグリップを35種類から3種類に統合し、五割以上のコストダウンにつながったという。圧巻、圧巻! 「CCC21」なども興味深い。トヨタがトヨタであり続けるために、絶えず状況に合わせての変化への対応が行われている。


┌─ 技術者の戦い      ──────────────────────────────┐ 
「俺が、つくる!」           岡野雅行著 2003年 中経出版              │
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 熱い熱い本である。こういう人の存在は、日本の産業を勇気づけてくれる。
「刺しても痛くない注射針」
 蚊に刺されたぐらいの感触しかないほど小さくて細い………この針は皮膚に刺しても折れたり曲がったりしないほどの強度があり、なおかつ髪の毛のように細い。【同書p13】
 技術は発想を変え、常識は創られる。


┌─  教育界での戦い ───────────────────────────────┐ 
「専門家の知恵」   ドナルド・ショーン著  佐藤学・秋田喜代美訳  2001年 ゆみる出版 │
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 技術的熟達者から反省的実践家へ。佐藤学氏が日々語っておられることの原点がここにある。
「行為の中の省察」…日々の実践において、有能な実践家は、適切な基準を言葉では述べることができない質の判断を無数に行い、ルールや手順として述べることのできない技能を実演している。【同書p77】

 研究者に対する実践家のプライドを擽る。実践家の本筋はここにある。日々の不確実性への取り組みが、固定化された理論を越えるのが現場である。

 「社会科教育」(明治図書)2003 9月号